箱根駅伝 大手町ー箱根 何とか歩く必ず吞む スタート

読売本社ビルってどこですか?」
「本社ビル?移転しましたよ」
がーん。12月も末におしつまったある日。ふらふらと俺は大手町の駅におりたった。以前からトライしたかった「駅伝―大手町から箱根まで全て歩く。そして時々呑む」のスタートを切るためだ。冬ならではの素晴らしい晴天。家にいる事が大好きな俺も誘いだすほどのいい感じに「俺はやるぜ」と布団の中で誓った朝だ。しかし実は大手町時点でもはや2時すぎ。起きてだらだら珈琲のんでごはんももりもり食べて、ついてくるとかついてこないとかぶつぶついっている某夫に「別にもういいよ!」といいすててでようやく昼すぎにでかけたのだがなぜか暗い目をしてついてくる男がいるのだった。「倒れそうな気がするから・・」ってなんだよ。別に頼んでねえんだよ。といいながら大手町までは約1時間半。横浜の田舎からは遠い・・
 そしてついたらついたで読売本社移転だ・・いったいなんだ?「あのー箱根駅伝のスタート地点にいきたいんですが」というとにっこり笑った駅員さん「C3の出口ですよ」とすらすら教えてくれた。きっと1月2日、3日にはいやになるほどきかれているに違いない。でもこんな時期はずれに尋ねる人はいるだろうか・・そう思いながらC3の出口をでる。
 大手町は久しぶりだ。はるか昔20歳の短大出たての乙女のとき、大手町のはしっこの広告代理店に就職した。橋をこえればもう神田という地点。どっちかというと大手町OLというよりも神田の恩恵をうけていた。考えればもうすでにあのときから酒呑みとしての道を歩きはじめていたのだった。かもとかあんこうが軒先にぶらさがる呑みやが密集している神田・・そこに吸い寄せられるように帰宅時通っていた日々・・大手町のかっこよさは全然しらなかった。そしてほぼ30年ぶりくらいに地下鉄からあがった大手町は眩しいほどのエリート街・・「どうだ!」っていってるようなビルたちが並んでいる。自分には全く関係ない雰囲気をまとった街だった。読売本社ビルは移転というか正確には改修中らしい。ビルのあっちとこっちとどっちの路地がスタート地点か今いちわからぬ。うろうろするあやしい二人連れ。多分広いほうがスタート地点だろうと両方うろうろしたあげくに判断して14時57分スタート!特に地図はもっておらず駅伝公式サイトからプリントアウトしたコースマップ一枚が頼り。主要な交差点名がかいてある。
 本社前から広い1号線に出て左折。すぐに書店の紀伊国屋があってびっくりする。小さな地図を買いました。なんとなく不安だったので。そこでレジで地図広げて今の位置きく。そうのって自分がレジはいってるときはとまどうものなのに、自分がやっている。紀伊国屋のお兄さんは親切でした。 

まあ地図買うまでもありませんでした。だって1号線まっすぐまっすぐだもん。俺に伴走するはずの男がなにやらレンガのビルによりそいすりすりしている。「このマテリアルが・・」なぜか建物のマテリアルが異様に好きなこの男、気持ちは一生わからない・・東京海上のビルらしいです。レンガが一個一個とびでているでこぼこビル。「このビルはいいなあ・・」すりすり・・勝手にしてろ・・


どんどん行くととても雰囲気のあるビルがま たでてくる。「ねえあれも好きなんじゃないの」「・・」無視。特に関心はないようだ。ロマンティックなデザインはまわりの無機質ビルと一味違います。明治生命ビル。重要文化財らしいです。ガス灯などもあり文明開化風。1934年にたったらしい。俺以外にも他2名の女子がデジカメぱちぱちしていた。



このあたりは和田倉門交差点。左に東京駅 右に皇居がみえます。東京駅は改修中で、もしみえてたらこれも名建築だったはずなのに残念だ。それにしても立派なビルばかり。このあたりを回遊する無料バスも走っているらしい。エリートたちはめぐまれすぎている!「こんなビルで仕事してる人ってボーナスいっぱいでるんだろうねー」伴走者に語りかけるもののまた無言の答え。人の語りかけを無視して
「おっ!おっ!もう機動隊でてるよ。駅伝護送すんだっけ?あ、天皇の新年あいさつ用か?」と突飛な声をだしている。一緒に本屋にいくと迷いなく軍関係の雑誌の棚にいきずっと立ち読みしている男だ。(しかし絶対買わないのも特徴)俺には全く目にはいらなかった機動隊の車がくっきりと見えるらしい。そして俺達同様に不審な動きをしている学ランの男たち3人組を発見。地図をみてはうろうろ。「あれは仲間だね」そう。確かに駅伝関係、応援団らしい。インタビューしたいものだが、何となのったらいいのかわかんないし残念だ。応援の策をいろいろ練っているらしい。頑張れよー。
駅伝らしい風景もかいまみえて満足。帝国ホテル、帝劇(ジャニーズ祭り花盛り)など立派なビルを次々左側にみながら進んでいく一号線。そして風景がかわっていく・・ビルがどんどん小さくなっていき明らかに酒ゾーンに・・西新橋交差点。「エクストラコールド!昼間から呑めます!」と直接すぎるメッセージ。アサヒスーパードライか・・暑いときはさぞ魅力的だったろうこの言葉。木枯らしふきずざむこの季節にはそろそろかえたほうがいいんじゃねえかい。俺の大好きな「HAPPY HOUR!」の言葉があちこちでおどるおどる!
やっぱこういう街がいいねえ。時間もいい感じにそろそろ4時近く。しかしもう少し、いくらなんでももう少し先にいかねば。と御成門交差点も抜けていく。歩道橋に箱根駅伝の交通規制のお知らせが。そうこのルートでいいんだよね。ところが思考が謎の男がここにきて「道間違ってんじゃないの?大丈夫?」と二度も繰り返す。あんなに大きく「箱根駅伝」って書いてあるじゃねえか!本当調子狂う。こういうのともう15年ほど同居・・俺もかなりおかしくなっているはず・・心配だ・・

日もだいぶ暮れてきた。この企画のルールは「日が暮れたら終わる」ということだったので、(まあ勝手に俺がきめたのだが・・)次の増上寺の交差点でそろそろ終わりにしよう。手元のコースマップによると増上寺交差点まで4,4キロ。平均所要時間(駅伝の)わずか12分ほど。走る彼らはエクストラコールドの文字なんて目にはいってないんだろうなあ。酒好きな選手はいるのか?いないだろうなあ。我々は1時間半は歩いてるんだよね。でもまあスタートがおそいこともあってほとんど疲れていない。試しの歩きだったけどまあ時間かければ歩けるかもな。箱根まで。次回は早く出発してせめて鶴見までいきたいものだ。鶴見では焼き肉狙いかなー。やたら派手な増上寺で年末におまいり。東京タワーを背後にしたがえ不思議な空間。正月にはどのくらいのひとがつめかけるのか・・巨大なさい銭箱にめまいを覚える。


おまけ
一応この歩きルールとして、最後に呑みやに入るというのがあります。あんなに新橋では溢れていた呑みやが芝にはとんとなかったです。なぜか立ち食いそばやが多い。多分参道にいけばいろいろあったのだろうがなぜかさみしい路地にはいってしまい呑みやを探すのに30分以上歩いた・・馬鹿だ・・やっとみつけたところは、おしゃれカフェ「CIRCUS」でした。ハイボール2杯のんでフィッシュ&チップス。おしゃれカフェなのになぜか謎のジャパニーズボーカルが大音響で流れていたのは残念だ。最近ハイボールを呑むことが多いのはメニュで一番安いことが多いからです・・。フィッシュ&チップスはボリューム狙いで頼んでみました・・日はとっぷり暮れた。そろそろ帰ろう。


おまけその2。
今日駅伝はじまってる中でこの記事かいてますが、出発点として写した場所が間違っていました・・うろうろして迷ったひとつ裏の路地が出発点でした。けさ某夫とじっとスタートをみて1号線に曲がる位置みてふたりで「あー!!!」とさけぶ。でもまああまり景色はかわらないのでかんべんしてください。

おいて下さる店ふえました!

緊急速報ですが極私的雑誌
「本と酒と俺」ですが
おいてくださるお店がふえた模様です・・
すいません取次さんにおまかせしているのできちんと現場確認はしてないんですが

ジュンク堂池袋店さま
ジュンク堂新宿店さま
MARUZEN&ジュンク堂渋谷店さま
ブックファースト新宿店さま
三省堂神田店さま
・・です。

でも俺も本屋してたからわかるんですが、なんかよくわかんないへんな本はいってきても
「あとでいいや」ってださなかったり
ストッカーにしまわれちゃったり
即返品されちゃったり・・とかまあいろいろな可能性が考えられなくもありませんので
どきどきしながらこれから少しずつ探しにいこうと思ってます。
あと出していてくださったら担当者にまんじゅうくらい渡して
忙しいところいやがられたいと思います・・
(そういえばあめとかくれる営業さんいたなあー)
また確実なところはみつけたらお知らせします。

あ、あとリブロ池袋店では雑誌コーナーでも今おいてくださってるみたいです・・
男性実用誌コーナーに身分不相応に面だしでしたが
あのどんどんどんどん新しい雑誌がはいる雑誌コーナーでどれだけ生き残るかも
不明です・・こないだもちょっと有名雑誌の影にかくれていたので
そっと前にだして直しました・・
本屋で不審な行動してる女がいたらそれは俺かもしれません。
でも他の作家さんかもしれません・・
そういえば以前勤めている書店で某田中康夫から「どうして俺の本おかないのか」と
直接電話でおこられきれていた文藝担当の方いたなあ・・
田中康夫・・いつの時代のことでしょうか・・
それではまたいろいろ書きたいのですが
今日はこれで失礼します
年内更新あと1回が目標ですが
とりあえず念のため「いいお年を!」

阿呆!阿呆!阿呆!

「本と酒と俺」のシール問題について触れたい。それは、「出来た!出来た!」とうかれていた1週間すぎのこと。某出版社で編集者をしている弟からメールがきた。「力作、青春18きっぷの旅の全貌がようやくわかった・・」と最初はほめてくれている。うれしく読んでいた俺の手がとまった。続くメールに「阿房が阿呆になってるのはわざと?」え・・阿呆・・阿房・・なんかそういえばひっかかってたんだよな・・・・・誤植!内田百輭先生の「阿房列車」は「本と酒と俺」のメイン記事「青春じゃない!カップ酒まみれ各駅馬鹿旅」において重要な役割を果たしている本だ。「阿房列車」の言葉は何か所にもでてくる。胸がどんどん高鳴ってくるが仕事中で手元に本もなかったので確認のしようがない。弟のメールはその件についてはあっさり終わっており俺は「何でもない!」と社員食堂で思いこもうとした。「一か所くらいだろう・・だったらしょうがない。見過ごしてもらおう」
 そして帰宅。本をわしづかみにして頁をめくる。阿呆、阿呆、阿呆・・すべて間違っている!書名がでてる10か所すべて間違っている!あの名作を!しかも俺はほんの数日前バイト先の店長に「読んでください!」と本をわたしていた。本のプロに!
 目の前が真っ暗になる。これは・・何が「本と酒と俺」だよ!「本と酒と阿呆な俺」だよ!直すしかない!間抜けすぎる!どうしたらいいんだ!
 半ば泣きながら、デザイナーのNさんに電話をする。電話のむこうで大笑いするNさん。「あのさあ・・あの・・正しい書名のシールはりたいんだよね。そういうの・・つくれたりする・・?無理かな・・」といつもながらの無理ぶりをする俺。こういうの本が完成された時点で終わったはずだった。「本当にありがとう!」と感謝をこめていったん仕上げたはずの俺達の関係・・なのに・・またもの最低な無理ぶり・・。Nさんは「OK大丈夫だよ。字体あわせなくちゃいけないから、どことどこが間違ってるのかメール送ってね!」と明るくいってくれた。シールシートも仕事場にいく途中で買ってくれるという。電話したのが土曜日。「あの・・できたら今度の金曜日30冊もってく予定があるんだ。それまでに・・もし・・できたら・・」「うーん多分、大丈夫と思うよ」
 いつもいつもこんな事ばっかりNさんに言ってた俺だった。半ばできあがっていたアンケートをレイアウト変えたいっていったり「とりあえず50頁くらいにおさめようよ」といわれても「まだ原稿あるんだよね」といったり・・ごめんね。Nさん。これが最後と信じたいよ・・。
 週明けすぐに「出来たよ!」とNさんからメールもらって、酒びんかかえて事務所にむかった。Nさんのパートナー、イラストレーターのFさんにもちょこちょこイラスト描いてもらってたのでギャラ替わりにもっていったんだった。俺を待っていたのはシールシートいっぱいに溢れた「阿房」の文字。「房」だけもある。そしてNさんの手ですべての字のわきにきっちりカッタ―がひかれていた。実はこの作業が不安だった。まっすぐ線がひけない、折れない俺だ・・。本当にありがとう・・Nさん。
 「さーて。貼り方の練習やるよーいいねー君にまかしとくとどんな貼り方するかわかんないからねー」とにこやかなNさんの目が笑っていないような・・カッタ―やピンセットをもちい、とても細かい作業がはじまった。「今あけないでください!ご自宅で呑んでください!ギャラですから!」と懇願する俺を無視して酒をその場であけたFさんも加わってくれた。30冊シールはった・・俺達のかたわらにはコップ酒。呑みながらやった。Fさんが笑っている。「ほら!手でやっちゃだめだよ!」とときたまNさんのつっこみが入る。さらに笑うFさん。いつのまにかギャラの酒瓶はカラになっていた。

 ところで地方小出版さんという取次さんから驚きの注文がはいった。100冊・・都内の主要書店にまいてくださるという・・ありがたい話だ・・俺のシールまみれの本を・・来週までに100冊シール貼り・・俺はやるぜ!これから!少し曲がるかも・・

 これからリトルプレスをつくる皆さまへ。
校正は大切です。できれば自分ではなく第3者にきちんとやってもらいましょうね。

11月6日 初めての納品

めっきり寒くなってきました。ベランダの盆栽がとうとうみんな枯れてしまった。もう植物育てにトライするのはやめます・・。「本と酒と俺」営業物語の続きを書こう。


―――――――――――――――――――
前回までのあらすじ→1年ごしの作業の末雑誌完成!にうかれた田中は池袋で呑んだくれ全てを失ってしまった・・なんとか自宅まで帰りついたが、家族にそしられ(というか全員寝ていたが)辛い夜をすごすのだった・・。(詳しくは前日のブログをごらんください・・)

                                                                            • -


どんな二日酔いもんにも朝は来る。その日の二日酔いは中程度だった。目がさめて呆然としながら乱れきったリビングに座り「今日何をすべきか」を考える。リビングのテーブルには千円札がぽつんとおかれていた。そうだ!昨夜タクシーの金を払ってくれた夫に「明日!明日バッグをとりにいかなくちゃいけないけど、何もないんだよー金くれー」と泣きついていたのだった・・。この千円は武士の情け・・この情けを握って・・

まずバッグをとりにいかなくてはいけない。

電車に乗ることを考えるのすらいやだが、携帯 財布 そのほかいろいろがなければ明日仕事にもいけない!池袋の少し先のA駅まで横浜の自宅から1時間半・・また長い旅にでなくてはいけない・・どうせ長い旅にでるならもう少し楽しいこともしよう。そうだ

納品しよう。

俺はとある書店に電話をした。それはA駅にほどよく近い「清澄白河駅」近くにある古本と新刊洋書を扱う「しまぶっく」。以前勤めていた書店の先輩Wさん夫妻がついこないだ開いたスバラシイ本屋である。「本と酒と俺」がどんな本か全くわからないままに「置いて!」とつめよった俺にうなずいてくれた。そのうなずきを頼りに突然電話をする。
「あのー田中です」「おお」「あのーこないだいってた本できたんですけどもっていっていいですかー」「…あ、そうか。いいよ・・」(困惑ぎみ)「10冊でいいですか?今から行きます」二日酔いの割にてきぱき冊数まで勝手にきめる俺に「伝票はつくってきてね」と駄目だしするWさん。さすが書店業界30年(くらいだと思う)経験者。そうか・・伝票・・納品書・・インターネットでテンプレートを探しなんとかなんちゃって納品書をつくる。全くてをつけていなかった印刷所からの段ボールをあけ10冊だす。お前たち立派に勤めをはたしてくるんだぞ!

というわけで俺は旅だった。昨日を空しく回想しながらまずA駅に行きぺこぺこ頭をさげて(拾ってくださった方本当にありがとう!あのーヒステリックグラマー柄の小さなバッグですよーもしこのブログをみてくださっていたらビールおごりますよーなんでもしますー)バッグと感動の再会を果たし、清澄白河駅へ。Wさん・・俺がAブックセンターに入社したとき、朝礼で自分が企画した「青の時代」のフェアのことを発表していた。末長蒼生さんが同名の新刊をだしたばっかりで、その流れをくむ本がずらりと並ぶ素晴らしいフェアで俺はとたんにWさんの力にノックアウトされてしまったのだった。へっぽこ編集者から転職したばかりの俺に棚を編集する力のあるAブックセンターの先輩たちの力は眩しいばかりだったが中でもWさんには魔法的なパワーがあった。書籍の中でも地味な人文書の棚をきらきらと輝かせ、哲学や社会学などに興味がない読者までをも引き寄せ買わせてしまうその力はWマジックと呼ばれたものだった。
そして酒・・ものすごい酒呑みだった・・今だにWさんのようにつやつやした声で「すいませーん。おかわりー」と酒場で叫ぶ人を俺はしらない。しかもほぼエンドレスで叫ぶのだ。素敵すぎる酒呑み・・躊躇ないそのコールが繰り返される酒場の夜を何度すごしたことだろう。
最近は全く一緒呑みはごぶさただけど、本屋大将のWさんの店に本を置いてもらえるなんて光栄すぎる・・俺は二日酔いも忘れ店へと急ぐ。清澄白河駅を出て「深川下町資料館」を左手にみつつ商店街をまっすぐ歩いて5分くらいのところに「しまぶっく」はある。パートナーのRさんがにこにこと迎えてくれた。Rさんも酒呑みなのだ。しまぶっくを開いて以来、ものすごい忙しさで その疲れをとるため毎日飲み歩いているという夫妻。うらやましすぎる・・。
しまぶっくはWさん夫妻の編集力にみちている。ひとつの本のまわりに同じ流れに導かれた本がよりそっている。ひとつひとつの小さな街が店のあちこちにできている。それは無粋な「分類版」などで区別されていない。自然に川で泳ぎ海に出て島に流れ着く。幸せな本屋体験が「しまぶっく」にはあるのです。そして!その流れに俺の本も仲間入りさせてもらえました。おお!栄光の面だし!RさんがPOPも書いてくれました。納品1件目がこんな本屋さんで俺の本たちも幸せだ。頑張って素敵な人に買われるんだよ!

しまぶっく
東京都江東区三好2-13-2、月曜日定休 03−6240−3262

K.徹のワルグチ

緊急の記事を書きます。俺の「本と酒と俺」に記事をかいてくれたK.徹ですが,
「読んだことのない本が読みたいんだ」というサイトをつくっていて、1年半前俺達が勤めていた本屋がつぶれて以来ずっと続けている。酒屋になってしまったが(今現在はまた転職)ずっと本屋魂を忘れずなかなかおもしろい新刊紹介をしている。それ自体はえらいことなのだが、そして今回俺の本も紹介してくれてまあそれはうれしいのだが

そこに

飲んで酔って動かなくなって、かれこれ2回自宅まで届けたことのあるひとで、「ミニコミの為だ」って旦那や娘さんまで巻き込んで青春18切符で九州までカップ酒を飲みながらの各駅の旅をするひとで、飲みの誘いを断られると人生の終わりみたいな顔をするひと

とあまりにリアルな俺を書くのは後輩としてどうかと思う。
あとトップにのせてくれるのは来週頭までというひどく短い命なので相互リンクをするために
寝ないで俺は作業しなくちゃいけない。反省してください。わかりましたか。K.徹くん。

あんたさあ。こないだ彼女のKちゃんと3人で呑んだとき、「トイレにいく」っていうなり逃亡してさんざん探させたあげくに新宿HMV前に座り込んで涙ぐんでたじゃん!まあ二度も彼女と家まで送ってもらったことは事実だけどあの時は俺のほうがまともだったじゃん!なんであの時逃亡したのか、こんど自由が丘「鳥へい」でじっくり話をきくので覚悟しとくように。わかったね。

K.徹の立派なサイト「読んだことのない本が読みたいんだ」はこちらです。
http://www.yomitainda.com/

11月5日 失敗したこと

酒場 ふくろ

食べログ 酒場 ふくろ

11月5日(雑誌が刷り上がった次の日) 呑んで失敗する・・

いきなりですよ!いきなり!どうですか?本ができるまである程度酒呑みを自粛してきた俺は「これで解禁!」とばかりにまず写真表紙をとってくれたカメラマンKくんに「できたから!渡すから!酒呑もう!」と誘いをかける。戸惑うKくんだがなんとか誘いにのってくれた。
昨年夏になんのことやらよくわからないまま呑みやで写真を撮らされた彼。変な本をたくさんもってきてああでもないこうでもないと銚子やつまみとともにスタイリング(!カッコイイ!)をしている俺に辛抱強くつきあってくれ、雰囲気のある写真を何カットもとってくれた。そのあとその酒場でやった飲み会でも「わははー」と呑みまくる俺と友人(スタイリングをつきあってくれた)を横目でみながら料理やメニュの写真をとってくれた。それからあまり連絡をとらず彼には申し訳なかった・・。いよいよ堂々と本がわたせる。「妄想じゃなかったんだよ!」と宣言できる。まあ1年以上もかかってはしまったが・・もうあの話はたちきえじゃないの?と友人たちがみんな疑惑をもっているように最後のほうは思えてしまった、苦しい気持ちの俺だった。リトルプレスをつくっている人たちはみんなそこのところが一番苦しいと声をそろえていう。無料で記事をかいてもらったり協力してlくれた人々が「まだなの?」ときくが、もちろんきくのは当たり前だし彼らは責めるつもりなんて全くないんだろうが、こちらは責められてるように感じてしまうのだ。そして段々人と会いたくなくなる・・それを苦にして失踪してしまった人もいるという(嘘)表紙をとってくれたKくんなんてそのさいたるもんで、本当会いたいけど会いたくなかった人だったんで一挙に「会いたい!」ほうに針がふれてしまった。
池袋で待ち合わせ。俺の大好きな「ふくろ2号店」に行く。どんと10冊わたすとじっくり眺め早速誤植に気がつく細かすぎるKくん。「ああ!」と耳をふさぐ俺。「校正はしたの?」「・・一応自分で・・」「校正は自分でしたらいけないんだよ。無理だから。全くの他人にしてもらわないとね」やさしく諭しながら本をめくり続けるKくん。とにかくとにかく酒を飲もう!俺は以前きてきにいっていた「ホッピーウイスキー割」を頼む。トリスの小瓶(でも300ミリはありそう)とホッピー1本と大きなバケツみたいのいっぱいに氷でてきて700円くらい・・(すいません。覚えていません)信じられないくらい安い!Kくんは熱燗を。酒の銘柄が選べないのがわずかに不満そう・・スタイリッシュなKくんだ。
「僕に頼めばよかったんだよ。こういう重箱つつく作業大好きだから」そうか!Kくんに頼めばよかったのか!こんな作業好きな人いないと思ってたよ。それからたたみかけるようにKくんの攻撃が続く。「この表紙の小魚さあ」「?」「あんんたたち撮影してる俺のうしろで外したあと食べながらしゃべってたでしょう。うまい!とかいってさあ。ちょっと・・っていうかかなりむかついてたんだよね」・・そんな・・今さらいわれても・・Kくんの恐ろしさが身にしみる夜だった。それからあとの記憶がはやくもないのだった。
そのあと「カクテルが呑みたい」というKくんの言葉にしたがってバーにいったと思う。気がつくと俺はどこかの地下鉄の駅にたっていた・・手ぶらで・・え・・どうしたらいいの?バッグはどこにいったの?財布、携帯は?どうやって帰るの?駅員に「忘れ物はないか」と聞く俺。駅員はめんどくさそうにどこかに電話して「今のところ届いてないですねー」と答える。悲しみに頭がしびれそうな俺。とにかくとにかく自分の沿線に届くN駅にいかねば。多分それが11時半くらい。気がついたら1時近くにN駅ホームにたっていた俺。1時間近く何をやっていたのか、のりすごしまた反対方向にのりまたのりすごす・・そんなことを繰り返してきたに違いない。最後の力をふりしぼってN駅の忘れものセンターにいく。「あの・・忘れものは・・」てきぱきと作業してくれる駅員。さっきと違い電話ではなくパソコンを使っている。そして「バッグの色は?かたちは?あなたのお名前は?」と質問をあびせたあげくに
「届いてますね」
「えー!」その場で座り込んで号泣したくなった俺。「と!とりにいきましゅ!」
「いや、もうだめですね。すべての終電は終わりました。忘れ物センターにもうひとはいません」
がーん。「あ・・あのわたしゅはどうすれば・・財布もなにもないんですけど・・」
駅員は無言で電話をさしだした。「とりあえず家族に電話して、タクシーで帰るしかないですね。改札は出してあげますから」「・・」何度もプッシュホンを押し間違える。駅員はやさしく辛抱強く見守ってくれた。とにかく・・とにかくでもでてきてよかった。うれしさとかなしさが交差する。やがて真夜中の電話に夫がでた・・
その先のことはもうあまり書きたくない。とにかくまだ俺はまだ生きています。翌日のことはまた今度。Kくん表紙撮影本当にありがとう。でもやられたよ・・。あのあと財布からバーの会員券でてきよ。500円割引だって。今度いけば・・。

追記 Kくんの許可をえたので本名をだします。やな感じにかいたけど本当はいい奴です。

表紙撮影 黒田泰司 Web Galley http://yasushi.truecolors.in


雑誌「本と酒と俺」1号できました!

極私的雑誌「本と酒と俺」完成しました!

本と酒について俺(田中都麦)と酔っぱらい仲間たちがぐだぐだといろいろ語っています。
主な目次は
●「話題の本の中の酒」1Q84
●青春じゃない!18きっぷ 東京―熊本 カップ酒を吞みつぐ旅
●焼酎商売と本と俺 トール
●カナダと本と酒と俺 エガワ フランスと本と俺 イグチ
●アンケート 俺のイチ押し酒・本・酒場
●家事と酒と本―俺の暮らしの手帳 主婦サトミ
●本と酒と神と俺―マサヨ
●本と酒と東北と俺―マキ
●もつのたいたんーエツコ
●本と酒と外国人の俺と居酒屋 脳科学者ヒンマン
●えほんとさけとおれ トモコ

などです・・定価500円。ただいま都内4−5か所で低い温度で発売中です。
発売してくださるありがたい書店さんは
リブロ池袋店生活書コーナー酒本売り場 03−5949−2909
しまぶっく(半蔵門線 清澄白河駅下車 徒歩5分) 03−6240−2362
smokebooks 「見世蔵」(総武本線下総中山駅下車 徒歩5分)047-705−0816
模索舎東京メトロ新宿3丁目駅下車 徒歩5分)03-3352-3557 ‎
他にもまだ電話もひいてない秘密の本屋さんや、イベントなどで販売したりしてますので
出会えたらお手にとってみてくださいませ。

おいてくださる本屋さん 居酒屋さん 八百屋さん・・など本と酒が好きな方のつくる場所ならどこでも
常時募集中です!ぜひぜひ honsakeore@gmail.com
までメールでお知らせ頂くかこのページにコメントでお知らせください。


あと通販もやります!
メール honsakeore@gmail.com
までお名前 ご住所 お電話番号 希望冊数をご記入の上ご連絡ください
書籍代金500円+送料(手数料込)100円 計600円を先払い頂きますので
ご了承ください。詳しくは返信のメールでご連絡いたします
郵便振り込みになりますので手数料120円が別途かかります。
(お持ちの郵便口座から振り替えの場合はATMなら無料
書類なら80円手数料がかかります)

下記本について感じたことをこれからだらだら書いていきます。
いきなり商売モードからブログモードに記述がかわりますがご了承ください

ーーーー

本を熟読する俺がいた。刷りあがったばかりで大きな箱2つで届いた極私的雑誌「本と酒と俺」。ゲラでろくに目も通さずあきあきしていた内容だったのになぜか読んでいる・・そうして思ったのは「本は本のかたちをしているから読めるんだ!」という真実だ。
 これはすごい。ゲラを一字一字真剣に読まなくてはいけなかったのにどうしても読めなかった俺・・あまりにも人間的に弱かった俺を本というかたちは改めての読書にいざなってくれる・・表紙をめくる・・ソファにひじをつく、テーブルの上に開いた頁をおく、片手に酒のコップを持ち頁をめくっていく・・このスタイルの至福!
 それにしてもこうして本になって読んでみるとあきれるほどに誤字脱字がわかる。こわいほどにきちんと読んでいる読者としての俺は「ひどくだらしない本だなあ」と編集者を憎々しく思う。そしてこの憎しみをもっていく場所がない。なぜなら読者と編集者は同じ俺だからだ。むなしい・・
本というかたちは偉大だ!と心から思う。電子書籍に注目が集まる現代。こんな俺みたいな本読みは時代遅れなのかもしれないが。それでも本というかたちは滅びないだろうと改めて確信する。とにかく11月4日「本と俺と酒」誕生!誕生日だ!そして今は12月7日。もう一カ月以上になった。さて全国のリトルプレスをつくりたいともくろんでいる世渡りの下手な皆さま。本はつくったら終わりじゃないんですよ。わかってますか?この1カ月、お前は何をやってきたのか!編集者から書店営業 また広報部部長に転身しなくてはいけなかった俺の1カ月を順次これから公開していきます。楽しくも疲れる日々・・。
 本当はいっきにUPしようと思いましたが怠け者で小出しにしかできないのでとりあえずこの項は本紹介のみで失礼いたします。