日本が誇るべき百貨店と居酒屋



有楽町西武閉店というニュース。デパート閉店って何か街の大きな遊園地がなくなってしまうみたいで寂しいですね。今は元気がなくそうでもないんだけど、デパートって別になにも買わなくても歩いて眺めるだけで楽しいところと思う。店員さんの接客はとても丁寧だし、日本のいいところがでている場所というか・・。何でもあるし、お客様気分を満喫できるし。失業して縁あって、TデパートとSデパートのスタッフ研修を続けざまにうけたのだが、日本のデパートっておじきの仕方の角度とかこだわりが半端なく、20年近く独立系の書店でだらだら仕事をしていた自分にとってはある意味とても勉強になった。とにかくお客をたてまつりいい気分にさせる技術が歴史的に継承されていてすごい。くだらないことも多いのだが、そのくだらないところの細部のこだわりがまたおもしろいと思い研修は楽しかった。外人とか受けたら驚愕するのではないだろうか。日本の文化がつまっているのだ。そしてそれを教える「ザ・デパートマン」には大いなる誇りがある。「何せ私たちは百貨店ですから、期待を背負っているのです」という風な。確かにデパートにくるお客さんってちょっと高びしゃでお金持ちのふりした人が(多分本物金持ちもいっぱいいると思うけど)多くて、それをうけるへりくだり方にはテクニックがいる。屈辱なくへりくだるには誇りがいるのだ。これはおもしろい心理だと思う。値引きもないからそんな気分を味わえるというところがデパートの一番の付加価値だろう。みんなそんなものは必要なくなって、気分より安さの実をとりたいのか・・。でも買い物ってもともと気分を買う要素が強かったんじゃないのか。私はどっちかというと気分派ですね。西武の親分はコンビニで、便利だが味気ないコンビニがそういう誇りをもった店舗をきりすてるというのが何かさびしい。文化遺産として都や千代田区も協力してなんとかならないのかと思う。だってあの駅前にでんとそびえた場所にこんど何が入るのか。例えばドンキホーテみたいな店が利益がでてるといって(あくまで例えです。本当にドンキホーテがもうかってるのかは知りません)あの場所にこられたら問題ではないのだろうか。でもあとに何がくるかって興味がありますよね。あまりどこも成功しない気も・・家賃も問題だよね。
先週はそういう厳しい時代しぶとく残っている池袋闇市あと呑みや通りを訪ねました。美久仁小路という酒場が6軒ほど立ち並んだ長さのごく短い通り。本来なら「あら迷いこんじゃったわ。こんなところがあるのね!」という風にめぐりあうのが本当だが、なんと「散歩の達人」の地図片手にというカッコ悪さ・・でもいけて本当によかった。西口にも大きな店があるという「ふくろ」に入りました。もうなごみまくり、落ち着きまくりで、7時半から閉店の11時半までどっぷりつかった。中にスタッフ(すてきなおばちゃん2名)が入れるアイランド型の古いカウンター(居酒屋にはふさわしくない名称だが、私に語彙がない。どうよぶのがいいのだろうか)にラッキーにもふたつ席を頂き、久々に居酒屋の楽しさを堪能。酒は基本的にホッピー中心で(ホッピーと焼酎が分割ででてくる正しいタイプしかも大量の別氷つき!)、あてはしめさば、肉豆腐、花豆&胡桃、ハムカツ、キムチ、しめに焼きそば。キムチがすごく濃くてうまい味でした。横で大量に次々食べながらマンガを読んで呑んでる男子がいて、その人が食べてるキムチがすごくおいしそうだったので頼んだらヒットで・・カウンターってこういうところがいいよな。男子はカキフライなど定食的なおかずをどんどん食べてビール&ホッピーもどんどん呑んで二千円くらいはらって風のようにさっていきました。そう安いんですよ。素晴らしい・・。池袋の闇小路もどんどんなくなっていくらしく「散歩の達人」にはふたつしか紹介がなかったのだが、日本の文化として残してほしいです・・それには我々がどんどん利用しなくてはいけません。皆さま協力してください。まあ「ふくろ」は人気店らしく、いつも満員でそんな心配しなくてもよさそうですけど。今年のテーマにしようとしてる「突き出し」をこっそり写メでとりました。れんこんの炒め物ですが、かなり酢がきいていてちょっと意外な味でした。またどこかで飲んだら「突き出し」紹介します。「突き出し」に愛らしさを感じてしまうのは私だけでしょうか。