自身の時代を考えながらブルーチーズめんたいをつまみに酒を吞む

警官の血 上 (新潮文庫)警官の血 下 (新潮文庫)

今読んでる本は文庫になったばかりの佐々木譲「警官の血」(新潮文庫)です。また上巻の三分の一しか読んでないがはまりそうな気がしています。昭和の香りがぷんぷんする。戦後まもなくで「頑張ろう」と頑張れば上向きになった時代、みんな貧乏だったから貧乏もあまり気にならなかった時代。―ということでみんなが「ちょっとよかったな」と今思ってる時代なんだと思います。昭和35年生まれの自分には単に「なじむ」感じですね。俺の世代って最後の「戦後の雰囲気をなんとなくわかっている世代」と思うんですが、戦争で体が不自由になった人が軍服姿でアコーディオンを街かどでひいていたり(それでお金を恵んでもらう)してるのも生でみているし、原っぱには、オバQででてくるような土管も普通にあったしね。ちょっと下のひとは全く経験がないものがいろいろ見れたのですね。だってそういうものって数年ですぱっと世の中から消えてしまったからね。ああ、こういう話をしてしまうところが本当老人に近づいてきていると思う昨今・・どうしたんだろう俺。自分、田園都市線にずっと住んでいて、これまで自分は渋谷派だと思っていて池袋なんて地の果てと思ってたんですが、最近仕事で通ってたらどうも池袋に馴染むんですわ。もっと探検したいというか。これも戦後派のしっぽでしょうか。まあ生まれは練馬で、育ちは大阪の十三近くですからね。おばあちゃん、大阪の市場で下駄ややってましたし、おじいちゃんは、清水の次郎長一家の末裔で、刺青してたしね。俺何者・・。
 今日は芋焼酎のお湯割りをいっぱい呑んだ。(家で)それはいいんだけどつまみが・・ブルーチーズにからしめんたいをのせ、そこに辛子をまたつけるという体によくないきわみのような食べ物でそれが悶絶するほどおいしい・・最後にはもうすべてぐるぐるまぜてしまってペーストにして舐めながら呑んだ。本当うまいわ・・正月にはかずのこ1パックひとりで一日で食べちゃったし。老人には悪魔の食べ物といわれる魚の卵本当うまいわ。間違いなく痛風への道をつっぱしってますわ・・どうしたんだろう俺・・いろいろ心配です。
 今から風呂にはいってまた「警官の血」じっくり読みます。読み終わったらまた感想かきます。あ、そういえば、年末に読んだドン・ウインズロウ「犬の力」(角川文庫)めちゃくちゃおもしろかったですわ。どんどん人がひどい殺され方をして、食事をしながら読まないほうがいいですが、ノワール好きにはこたえられないです。ドン・ウインズロウってちょっとおしゃれな探偵ものを書く人として、(創元文庫シリーズ)大好きだったんだけどこの本はかなりイメージが違った。でも若いハンサムな男たちがでてくることは共通してましたわ。いろいろハンサムを想像して読むとおもしろいですわ。悲しくも恐ろしく切ないノワール好きな人なら絶対外せないので読んでくださいね。ところでハンサムって死語でしょうか。書いてて白い感じがしたもので・・

犬の力 上 (角川文庫)犬の力 下 (角川文庫)