今日の本と酒と俺 寒さの中にも春を感じる3月2日

風呂で読んだ本についてまず語りたい。

昨日・今日・明日曽我部恵一 ちくま文庫
昨日・今日・明日

1週間前くらいに近所のヴィレッジヴァンガードで買った。彼が所属していたバンド、サニーデイ・サービスについては以前からすきだったが、その少し前にいった子供とのカラオケで息子(24歳 フリーター・パンやいてる)がうたってるサニーデイをきいて改めて「サニーデイはいいなー」と思ったのだった。息子はいわゆる音痴だったりすることが多いのだがそんな男がうたってるにもかかわらずいいと思えるのは本物だ。そんで俺の中の曽我部さんがよみがえったところで、ヴィレッジヴァンガードに「がーん」と積んであるのをみてついつい買ってしまったのだった。いや前から欲しいなとは思っていたのだが・・。こんなに平積み(20冊くらいあった)するなんて、もちろん新刊じゃないし(2009年11月刊)担当者が「好きだ!」とリキいれてるとしか思えないのだった。「売れるから積む。」というより「売りたいから積む」そんな本屋魂にふらふらと買ってしまったのだった。こういう売り方は本屋の勝ちだなと気持ちよく買ったのだった。俺はそういう売り方をする本屋が好きだ。負けるのが好きだ。

そんで少しずつ読んでいる。やはり言葉がすごくきれいなのだった。平凡な使いかたなのにきれいなのだった。なんだろうその秘密。ゆっくり読んでその秘密を少しづつ知りたいと思う1冊なのだった。

ところで「本と酒と俺」なので本書についても酒について語っているところに触れたい。
びっくりしたのは101頁「曽我部恵一日記」のこの部分。

「昨日の夜は、友人と自宅でワインを飲んで楽しい時間をすごした。パソコンをいじりながらずっと飲んだ」

パソコンいじりながら飲むのかーちょっと俺には想像がつかない。この日記が99年1月1日だからこれは大みそかのことなんだろう。彼は好きなスノードームのサイトを探しながら飲んでいたらしい。ひとりならまだわかるけ友人とだ・・。本を読んでもレコードかってビールを飲んでという表記はぽんぽんでてくるんだけど飲みにひたることはないみたいだ。友人と飲むなら俺なら肴は、酔いにまかせてバカバカしくしかし熱くなってくる「会話」なんだけど、インターネットをみながらってそういう雰囲気はないんだな。ワインどれくらいのんだんだろうか。これが2本3本なら本物だな。(何が本物?)そういう新鮮さがまたこの本のいいところだ。距離があること。すべてに。彼はその少しあとの頁でこういっている。

「つまり、人生が1本の長い道のりのようなものだなんて、たぶんそれは嘘っぱちか、もしくは誰かが考えだした妄想であって、やっぱり人生なんて、線にならない点が存在しているにすぎない、とぼくには思えてならないんだ。」

今日読んだ本そのほか覚書。通勤電車ではブルータス最新号(2011年3月15日号)「旅に行きたくなる」。これはしびれました。すばらしい構成。そいからランチタイムは社食においてある組合の図書室から借りた「裸者と裸者」打海 文三 角川文庫 上下巻。これもすごいよ。ランチタイムのみで読んでいて10日くらい。やっと下巻にたどりついたのだが、近未来日本国土じゅうが内戦で焦土となり、その中で孤児たちが戦いながら生き延びる話。全くSFだと思ってたんだけどものすごくリアリティがある。金のない孤児たちは男なら兵士に女なら娼婦になるのが道すじでそんな中でガッツと知恵のあるものたちは生き延びていく。そうしないと虫けらみたいに死ぬだけだ。でも世界に目をむけてみるとこんな国はいくつもあって、これはSFではなくまぎれもないリアルワールドなんだ。それを爆笑させながらもちょっと教えてくれたさくら剛「アフリカなんて2度と思い出したくないわ!アホ!」 幻冬舎文庫 についても触れたいけどもう今日はこれくらいにしておきます。

裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争裸者と裸者〈下〉邪悪な許しがたい異端の (角川文庫)
アフリカなんて二度と思い出したくないわっ!アホ!!―…でも、やっぱり好き(泣)。 (幻冬舎文庫)

できたらこんな風にこれから毎日書きたいけど、無理かなあ。まあお楽しみ。風呂からあがったときが一番元気があるときだし、その時間に今日の「本と酒と俺」をなるべく書きたいと思ってます。

あ、今日飲んだ酒は西武池袋本店地下ワイン売り場でかった1000円ちょっとの赤仏ワイン「ドメーヌ・アラン・ブリュモンVDP ガスコーニュ ルージュ」。「世界で一番リーズナブルなテーブルワイン」とPOPに書かれていたがその言葉通りの素晴らしさ。安いのにコクもあるしうまいよ!こういうことを教えてくれる酒売り場もいいね!今のところボトル半分(寂しいけどひとりで)。おやすみなさい。俺はまだ呑むと思うけどね。