オタク親子頑張って映画にいく

自分のことばかりにかまけている駄目な人間で、なのにこどもを二人も産んでしまって、彼らには申し訳なかったと思っている。なので今日は久々にこども孝行をしようと思って、ムスメを映画に誘う。ムスメは中1で私と同じお宅である。家にいてゲームと読書をえんえんと続けるのが一番という我らなので日曜に映画に行くという計画が母の口から出ることが信じられない。「え?」とムスメは一言短くいう。だるい めんどう きもい。そのみっつの感情がこめられた「え?」である。窓の外は笑えるくらいの秋晴れで、世間の人はみんな朝5時におきて全員キャンプにいっているだろうってくらいのピカピカだ。そして我が家には「え?」のあと沈黙が支配した。「じゃあいいよ。いやならいかないよ」
 しかし母の「このままふたりお宅に埋没してしまうのは教育上よくない」というムスメへの思いが通じたのか、「まあ行きたくなくもないけど」と奇跡の言葉がそのあと飛び出す。そして我らは家をでた。映画は「ハチ」。ふわふわの大きいものが大好きな俺。秋田犬がいろいろ動いてるのを画面いっぱいにみたい。というただそれだけの願いで選んだ映画。週刊誌などではこの映画はなかなか酷評されていたが、俺は秋田犬がみたいだけなので、何の迷いもない。リチャード・ギアも嫌いじゃないし。数か月前に来日しこの映画のためにどうでもいいバラエティなどに次々でているギアのけなげな姿にも好感がもてたし。
 そして俺とムスメは泣いた・・多分泣くだろうと思っていたけどやはりしてやられたのだ。秋田犬の硬質なふわふわ感(どんなだ)も堪能した。全く知識がなかったのだが、監督は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」を撮ったラッセ・ハルストレムだった。あまり映画を見ない俺だが「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」は多分1、2番目に好きな映画だ。同じ監督作品って、どの映画にも共通する目線がある。この監督の目線はやさしいが情緒に流されない。そこか好き。だから単に犬を見るいう目的以上にとても自分には気持ちのいい映画だった。「ギルバート・グレイブ」や「サイダーハウス・ルール」「ショコラ」も見なくてはなるまい。近いうちに夜中ツタヤ三本立てになるだろう。
 娘が泣いたのは意外だった。なかなか泣かないやつなのだ。というわけで情操教育にも成功したと満足して、映画館の近くの書店で、「ヨムヨム」と文庫「ノラや」(内田百輭ちくま文庫)「月の裏側」(恩田陸幻冬舎文庫)を購入。ぼさぼさ髪のムスメを美容院に送り込み(これも成功!今日は奇跡の日だ)、「権八」でそばを食べ吞み、今日のフルコースは終了。ちなみに「権八」メニューは、イカの天ぷら2個、舞茸の天ぷら1個、出し巻き卵、もりそば(ここまでで、ハートランド生ビールと日本酒冷「東洋美人 純米吟醸 大辛口」片口で)そのあとムスメがデザートを食べてるすきに、ピクルスと麦焼酎ロックで一杯という具合。ピクルスが非常においしく、何かおいしい粒がはいっていたので「これは何でしょう」ときいたら花山椒とのこと。今度うちの料理でも使ってみよう。粒の最後までいやしく食べた。
 そうだ今日からブログを書くんだと最後のほうで写真をとったのだが、まずそうな出来に驚く。やはり新しいデジカメがほしい・・また欲望が・・。あとお宅親子らしくお互い料理がでてくるまで本を黙って読んでたので、ヨムヨムも画面にいれてみる。全部読み終わったらいろいろ書きます。このブログは主に吞みもの、くいもの、本に関するお宅ブログです。